さて、今回は塩素について書いていきますが、
あなたには発見者、役割、性質について
知ってもらえたらと思っています。
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塩素の発見
1774年スウェーデンの化学者シェーレは
二酸化マンガンに塩酸を加えて初めて
塩素の単体である塩酸ガスを発生させました。
塩素を元素として正しく認識したのは
英国の化学者デービーであり、
1810年のことでありました。
日本語の「塩素」は、代表的な塩である
食塩の成分であることにもとづいています。
塩素は単体では存在せず、すべて金属
非金属、有機化合物と結合しています。
多くの無機化合物は水溶性であり、水中では
陰イオンと陽イオンに解離しています。
塩化ナトリウムは重量で人の血液に0.9%、
海水には3%含まれています。
水酸化ナトリウムの製造
塩素の単体である塩素ガスは塩化ナトリウムの
電気分解で工業的に製造します。
陽極には塩素ガスが発生し、
陰極では水酸化ナトリウムが出来ます。
2004年の水酸化ナトリウムの
国内生産量は450万トンです。
実験室ではさらし粉や二酸化マンガンに
塩酸を加えて発生させます。
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塩素の性質
塩素は黄緑色ガスであり、液体は淡黄色、
固体は黄白色になります。
刺激臭があり有毒で、高濃度では鼻や肺など
粘膜に作用して充血や呼吸困難になります。
粘膜のような湿った組織と反応して
反応性の高い酸素と塩素ができて
細胞を冒すと考えられている。
第一次世界大戦では、塩素ガスなどは
毒ガスとして用いられたいました。
塩素ガスが水に溶けると黄緑色の塩素水に
一部分は水と反応して塩酸と
次亜塩素酸になります。
次亜塩素酸は活性酸素を発生するので
漂白や殺菌作用があります。
水道水やプールの水には1Lあたり
0.1〜1.0mg添加されます。
その公衆衛生での利用があって
人間の都市生活が初めて可能になりました。
生体における塩素の役割
塩酸は人体において、胃から分泌される
塩酸の成分として重要であります。
しかし、胃の細胞は自らをも冒す危険性がある
この強酸を作り出しています。
胃で塩酸を分泌する細胞は壁細胞と
呼ばれています。
壁細胞は
まず、細胞外に塩素カリウムを放出します。
次に細胞内の水素イオンと
細胞外のカリウムイオンを交換するポンプに
よって細胞外のカリウムイオンを取り込み
細胞内の水素イオンを放出します。
放出された水素イオンは塩化物イオンと
結びつき、塩酸が出来ます。
このことから
壁細胞は自らも冒しかねない危険な塩酸を
細胞外で合成しているのです。
まとめ
塩素の性質や役割について
知れましたでしょうか。
ご視聴ありがとうございました。
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